海のエレメントで叶える、健康美。PHYTOMER(フィトメール)
〈SEA ARTは、フランス本国のフィトメールと芸術家による協働プロジェクトです。〉
フィトメールは「海」をリスペクトする芸術家の活動を応援しています。芸術作品を通じて、海と人間の関係性について思いをめぐらせることで、海洋環境保護や自然へのリスペクト、そして人間性の美しさについて深く考えるきっかけを生み出したいと考えています。
私たちの素肌に健康美という贈り物を届けてくれる「海」の豊かさ・美しさをいうまでも守り続けていくために、「海への情熱とリスペクト」の想いを多くの方と共有し、海洋環境保護とウェルビーイングの実現に興味を持って頂けることを願っています。
SEA ARTは、海洋環境保護と芸術活動の発展を目指すNPOグループ TIME FOR THE OCEAN が手掛けるプロジェクトのひとつです。フィトメールはSEA ARTをサポートしています。
http://www.timefortheocean.com/
===JULIE GAUTIER SEA ART===
Filmed and Directed by Maud BAIGNERES
https://www.youtube.com/user/TheMaudbaigneres
Music: Sinclair Director: Barthazar MOVAN
Julie: 水・・・それは、生命。
水がなければ生命は存在できず、ゆえに水は生命の本質であり、そのエネルギー、流れゆく姿を想えば「水こそすべて」であると私は信じています。水が存在するからこそ、私たちは生きているのです。
四方を海に囲まれたレユニオン島で、舞踏家の母と漁師の父のもとに生まれ育った私は、母から芸術、父から海と自然を受け継ぎました。そしてフリーダイビング*1と巡り合ったのです。18歳で、このスポーツに傾倒し成果を追い求めましたが、ある時を境にしてそれ以上打ち込むことできないと悟りました。幼い頃から育んできた水との関係性や水に対する私の愛情が、私には向いていない非常に禁欲的なスポーツの規律に取って代わられてしまったことに気づいたからです。
その後、フリーダイビングの競技会であるアーティストと出会いました。フリーダイバー・ダンサーを探していたアーティストが私を発見したことで、私の人生にダンスという存在が蘇ったのです。
彼とのプロジェクトが始動したとき、私は海の中で幾度も即興で踊りました。私たちが地上で地に足をつけるかのように、水中のムーブメントで構成された振付(コレオグラフィー)を創作したのです。そして数年後、映画「AMA」が生まれました。
(AMA filmed by Julie GAUTIER https://youtu.be/bdBuDg7mrT8)
作品には「私の物語を伝えたい」という想いをこめました。ダンスとイマジネーションという幻想的な表現手法で物語を伝えたいと思ったのです。激しい痛みさえ伴う私の創作活動において、インスピレーションを受け取るまでに8年を要しました。その間、個人的な挫折も幾度となく経験しながら、自分自身を再構築し、美しい作品を創り出すことができました。
私は自分の痛みをフィルムに変え、この痛みを水に映しこみ、ダンスを通して伝え、しなやかで美しく、オーディエンスにとって解釈ができる形で表現しました。
自分に起こったことを言葉ではなく、ビジュアルとして見せたかったのです。
その結果、ダンスのおかげで自分を成果主義から切り離し、本来の「創造性」を取り戻すことができました。
水中でダンスをする私は爆発し、飛翔し、身体表現を通して私を導く要素そのものにインスパイアされます。そこでは思考する必要はなく、まるで私たちを導く力の内側に取り込まれるかのように、ある意味でその抵抗を感じるために「水」に身をゆだねます。それはとても素晴らしい体験です。
監督という仕事は、予期せずして舞い降りました。
繰り返しになりますが、アプネア*2はツールであり最終的な目的ではありません。
アプネアを使用してイメージを具現化し、物語を伝えるというコンセプトをひらめきました。私はイメージを見て、「フリーダイブの身体的パフォーマンスについてではなく、すべての精神的、心理的、内的メカニズムについて語るべき特別な物語がある。」と自分に言い聞かせました。フリーダイバーが潜水するとき、頭の中で何が起こっているのでしょうか?現実から切り離されたフリーダイバーは夢の世界に入り込み、空想の世界に完全に没入することができるのです。
フリーダイビングでは瞑想のように、この一時停止の状態に到達します。そこでは、永遠に続く瞬間、幸福感、海とエレメントの調和、信じられないほどに素晴らしい宇宙とつながる瞬間を生きています。すべてが最小限であり、スローモーションです。私たちはもはや思考しません。もはや痛みをも感じず、身体から解放され、私たちの存在は単純化されるのです。
今日、パフォーマンスとウェルビーイングを実践するための手段としてアプネアを使用する多くのアクティビティがありますが、呼吸そのものに特化した場所はありませんでした。そこで、私は愛する街 ニースを創造の場に選びました。最初の呼吸から最後の呼吸まで、いつも私たちとともにある呼吸の本質に人々が気づくきっかけとなる場が欲しかったのです。「呼吸」、それこそが私たちをつなぐ絆です。
私の人生において海洋環境保護とは、人間性と生命そのものの保護と同義です。生涯、戦いを挑み続けるべき課題です。ある瞬間だけを切り取って眺めるのではなく、海が・生命がどれほど美しいかを広い視野で見てほしいと思うのです。
私たちは「彼ら」を守るために何ができるでしょうか(消して否定的な意味ではなく、優しさと慈悲を信じています。)。私たちが取り組まなければならないことは、急ぎすぎる生活速度を落として、自分自身を省みて、適切な問いかけをするために時間をかけること、理にかなったことをすること、少ないことを良しとする精神を持つことです。
便利で快適で全てに容易にアクセスできる時代に生きる私たちの1つの問題は、私たちがまるで甘やかされて育った子どものようにふるまっていることです。ここで原点に立ち返り、シンプルに、何ができるか・何ができないかについての認識を新たにする必要があります。
私たち一人ひとりはたくさんのことを成し遂げることはできませんが、それでも、一人一人の周りに素晴らしい出来事が存在しています。そして私は、映画を制作するにあたって作品に環境問題へのメッセージを持たせて、オーディエンスにとってポジティブな影響を残したいと願っています。
*1 フリーダイビング 素潜り(様々な競技種目がある)
*2 アプネア 水中で呼吸するための装置を用いずに呼吸のみで潜水すること
※本動画のアップロードはフランス本国フィトメールとMaud BAIGNERES氏の許可を得ています。
※SEA ARTはNPO団体TIME FOR THE OCEAN の環境保護啓発・教育活動の一環です。
※フィトメールはSEA ARTをサポートしています。